このページでは、珈琲をより楽しむために「味わいの解釈」について説明していきます。
味わいの解釈とは
味わいの解釈とは、珈琲を飲んだ時に感じる要素(酸味・苦味・甘味など)を出来る限り言葉に落とし込み、認識することです。
それぞれの要素を明確に意識することができれば、どんな珈琲を飲んだとしてもその個性を見出し、違いを理解し、より一層楽しむことができるという寸法です。
以下の説明は代表的な要素を私なりに言葉として落とし込んだ一例にすぎません。
必要であれば要素を増やしたり、修正したりと自分だけの「味わいの解釈」を作ってみましょう。
- 酸味
- 苦味
- 香り
- アロマ
- コク(濃度感)
- 甘味
- まろみ(粘度)
- ボディ(質感)
- 広がり
- 名残(長さ)
- 余韻
- バランス
私はこの他に「PCCSトーンマップ」の色調や、「様々な分野のフレーバー表現」も意識するようにして楽しんでいます。
1.「酸味」
「酸味の強弱」と、「優れた性質の有無」、「液体の明るさ」
焙煎が深煎りになり、酸味が感じられない場合は、珈琲全体の明るさを酸味の性質と捉えます。
2.「苦味」
「苦味の強弱」と、「優れた性質の有無」、「透明感」、「その他の刺激」
苦味の有無に限らず「透明感」も苦味の性質と捉えます。
「その他の刺激」は渋み・えぐみ・収斂性など。あとは「雑味」と括られているもの全般。その刺激をプラスと捉えるか、マイナスと捉えるかは本人次第。
珈琲業界では最高級の珈琲豆をカップテストで評価する場合、浅煎りから中煎りのコーヒー豆で行われるため「珈琲の苦味は雑味」と捉えることもあるそうです。
3.「香り」
「珈琲を口にしてから感じる香り」、「香りの強さ」、「優れた性質の有無」
一般的に「フレーバー」という言葉で表現されている項目。
4.「アロマ」
「抽出し終えた液体から薫る香り」、「香りの強さ」、「優れた性質の有無」
珈琲を口にする前段階の状態。
5.「コク」
「軽さと重さ・液体の濃淡」
「重厚な」・「アメリカンな」・「キレのある」・「濃い」・「薄い」などの表現は「コク」の範囲だと捉えます。
6.「甘味」
「香りがもたらす甘さ」・「酸味、苦味に伴って感じる甘さ」・「柔らかさ、まろ味といった質感から連想する甘さ」など。
7.「まろみ」
「液体の粘度」
「水のような」・「シロップのような」・「クリームのような」などの粘度に関すること。
8.「ボディ」
「口当たりの質感」・「口の中で広がる質感」・「喉を通る瞬間の質感」
「ボディ=質感」という認識。「ベルベットな口当たり」、「綿菓子の様な消え方」など。
9.「広がり」
「香り・酸味・苦味・粘性などの広がり」
10.「名残」
「香り・酸味・苦味・粘性などの長さ」
11.「余韻」
「余韻の性質」・「名残・広がりの心地よさ」
「余韻の性質」は、「酸味の中で消えるのか、苦味を感じながら消えるのか、はたまた甘さを残して消えていくのか」という意味合いと、「キャラメルの様な余韻なのか、綿菓子の様な消え方なのか、水のようにあっさりとしているのか」などの質感(ボディ)の意味合いを含みます。
12.「バランス」
「珈琲全体のバランス」
それぞれの要素が邪魔をせず、お互いを支え伸ばし合っているかどうかに注目。